円高を背景に海外企業へのM&Aを加速させる日本企業。少し前には、ソフトバンクの米スプリント社買収も大きな話題となった。未だに閉塞感から抜けられない日本のマーケットから海外市場への進出は今後さらに進んで行くだろう。そこで、M&Aの適正価格について考えてみたい。M&Aを考える経営者にとって、買収が妥当な水準かは非常に大きな判断基準となる。企業買収の「物差し」とは?多くの専門家は「EV/EBITDA倍率」を見るという。企業価値(EV)が買収対象会社の年間キャッシュフロー(EBITDA)の何年分にあたるかを示す指標である。その倍率を見て買収判断の材料にする。企業価値は、一般的に上場している会社の場合、時価総額と純有利子負債の合計を企業価値とみなす。 また、企業の収益力に着目してEVを算定する「収益還元法(DCF法)」という手法もある。事業が将来生み出すキャッシュから事業価値を計算する方法だ。EBITDAは、金利・税金・償却費を差引く前の利益で、営業活動が生み出すキャッシュフローという概念に近い。たとえば、「EV/EBITDA倍率」が10倍の場合、10年分のキャッシュで投資額を回収」と考えられる。ちなみに、ソフトバンクのM&Aは、「EV/EBITDA倍率」は10.5倍である。この買収が吉とでるか凶とでるかは分からないが、買収発表後の株価は下落している。